社長、事業展望を語ります(失敗談も語っています)

プロフィール

品川 泰一(Shinagawa Taiichi)

ユーキャン代表取締役社長。2006年に入社し、2010年より現職。週に1度はどこかの部活に顔を出すほどのスポーツ好き。子育ての相談にも乗ってくれるらしい。

新卒当時の自分から見たら、今の若手はみんな優秀。

―前職は広告代理店ですよね?

品川:2001年から大手広告代理店で営業として働いていました。「その広告でどれだけレスポンスが来るんですか?何%売上が上がるんですか?」。そんな風に、大手クライアントから細かく成果を問われた経験がユーキャンでも生きています。最初の頃は、マーケティングの文脈で当たり前に使われるKPI(重要業績評価指標)なんて言葉も知らなかったんですから。今の若手社員に言ったら、笑われちゃうかな(笑)

―その後、ユーキャンへ?

品川:5年半ほど働いて、2006年末にユーキャンに転職してきました。システム本部と企画計画部の2部署に配属されたのですが、広告営業の仕事とまったく畑が違ったのでかなり大変でしたね。慣れるまで1年くらいかかったんじゃないでしょうか。ただ、システム本部も企画計画部も会社全体の流れを見渡せる部署で、今の経営者としての仕事に活きているなと思います。

―当時の仕事内容は?

品川:企画計画部はユーキャンならではの部署です。 各営業部門で使用する顧客リストの分析や調整をしたり、全体の数字の取りまとめをしていました。

反応率ゼロの大失敗。でも後悔はしていない。

―その仕事は社長就任まで?

品川:とにかく新しいことがやりたくて、社長になる前年には「新規事業開発準備室」で新事業開発をしていました。チャレンジに寛容なのは、ユーキャンのいいところですよね。若手がやりたいと思ったことに対してNGが出ないというか、アイデアをまずはテストとして実施する文化がありますから。

―社長が新規事業開発準備室で取り組んだのは?

品川:海外展開をはじめとして色んなことをやりました。一度、台湾の雑誌に初めて広告を出したんですが、反応がなんとゼロだったんです。「本当に雑誌に広告載ったの?」「電話番号間違えて記載しちゃったかな?」と思わず疑ってしまうくらいに。でもユーキャンは「その失敗を次に活かそう」とみんなが言ってくれる。私自身も、チャレンジしないことの方が失敗よりも悪いことだと思っています。

時代が求めるデジタル化。その先の海外展開。

―社長から見える今後の展望について聞かせてください。

品川:通信教育事業には今追い風が吹いています。在宅勤務やオンライン学習が一般化したこの時代に、自宅で勉強が完結できる点は大きな強みです。時流に沿っているからこそ受講者の期待を裏切らないように、今はとにかくコンテンツの質を上げていかなければいけません。ユーキャンだから持っている長年のノウハウとプロ講師のネットワークをフルに活用して、ユーザーの皆さんの合格率では絶対に他社に負けないようにしたい。また、今後は今より一層デジタル化を推進していく必要があると思っています。

―やはりデジタル化の需要は高まっているんですか?

品川:まさに通信販売事業で痛感しました。ユーキャンの通信販売事業はシニア層をコアターゲットにしているのですが、コロナ禍でシニア層のスマホからの受注が倍増したんです。今は若者もシニアも関係なくデジタルツールを使いこなすようになってきていますね。

―その通信販売事業の展望は?

品川:昔は知的コンテンツだけを販売していたのが、ここ数年取り扱う商品カテゴリーをぐっと増やしています。とはいえ、Amazonさんや楽天さんと戦うつもりはありません。広告から注文につなげるノウハウや、価格優位性、健康といったシニア層の持つ興味関心への知見など、これまでの強みを伸ばしていく展望を描いています。扱う商品が増えた分、ターゲットに知られていない商品も多いので、まずはこの認知から進めていく考えです。

―教育事業も通信販売事業も、順調のようですね。その先の野望はあるんでしょうか?

品川:私が過去に失敗した海外展開にまたチャレンジしたいですね。通信教育事業ではすでに国内シェアNo.1なので、日本の人口動態を考えると、大きく成長させるためには海外に出ざるを得ないと思っています。

自社商品を自分たちでマーケティングする面白さ。

―そんな未来を実現するために、どんな方に入社してほしいですか?

品川:やっぱりチャレンジ精神のある人。ユーキャンというと通信教育のイメージが根強くあると思いますが、教育志望の方じゃなくてもかまいません。仕事の大部分はマーケティングですから。もちろん教育志望の方も大歓迎ですが、同じくらいマーケティングに興味関心がある人にも来てほしいですね。

―マーケティングに興味がある人には、社長の前職のような広告代理店という選択肢もあると思うのですが。

品川:自分が代理店にいたころ、エンドユーザーの方の顔が見えないもどかしさを感じていたんです。例えばクライアント企業のポスターを作っても、その広告を見た生活者の反応がまるでわからない。ユーキャンのマーケティングは、どれだけ申し込みにつながったのかダイレクトに数字で返ってくるので、そのもどかしさはありません。また、代理店と違って自社商品のマーケティングができるのも面白いところ。売れなきゃ困るのは自分たちですから、やる気が違う。それに、年齢や経験に関係なく全員が同じ土俵で勝負できます。先輩も普通に失敗しますから。反応率ゼロをたたき出した私みたいに(笑)

―ありがとうございます。最後に入社を考えている学生の皆さんにメッセージをお願いします!

品川:人の気持ちを想像できる人になってほしいと思います。マーケティングは、お客様の気持ちを想像できないと絶対に成果を上げることはできません。また、社内にたくさんある部活動にぜひ入ってほしいですね。私は、バレー部、バスケ部、ゴルフ部、そして野球部に所属しているのですが、一緒にプレーして、打ち上げで飲んで、仕事の話もそうじゃないこともたくさん話したい。部活だとみんなとフランクに話せるんです。20代の若手が私に「社長!トスが低いんです」って普通にダメ出ししてきますから(笑)

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