またまた発表!これが私の手がけたベストヒット広告トップ5

プロフィール

久和原(Kuwabara)

2014年入社。教育事業部顧客戦略部に所属。通信販売事業部で5年ほど仕事をした後、教育事業部へ。幅広い講座の営業を手掛ける。

通信販売事業部の知見を活かした高齢層向け漫画広告。

—では、さっそくですが、第5位を教えてください。

久和原:第5位は『大人のマジック講座』のDMのなかに入っている資料。社内では漫画ペラと呼ばれる漫画が描かれた1枚ものの広告です。実は、これ私が通信販売事業部から教育事業部へ異動して最初にABテストをしたもの。DMの封書のなかに、この漫画ペラを入れるかいれないかというテストでした。

—どういった経緯で、漫画ペラを入れることになったのでしょうか?

久和原:もともと、教育事業部でも漫画ペラの実績があったのですが、F1層向け講座の広告で使われることが多かったんです。でも、通信販売事業部の高齢層向けの商品でも漫画ペラが成果を出していたので、教育事業部の高齢層向け講座にも漫画ペラをつけてみようという話になりました。部の方針によって、カルチャー寄りの『大人のマジック講座』のDMで試すことが決まり、私が担当させていただきました。

—直前まで通信販売事業部で仕事をされていた久和原さんが適任だったわけですね。漫画の内容について教えていただけますでしょうか?

久和原:まず、ターゲットは一番受講する方が多い高齢層の男性に絞りました。なので、漫画の主人公も高齢の男性にしています。同窓会で他の男性がマジックを披露しているのを見て、自分もやってみたいと思ってユーキャンの講座を受講するという流れです。

―ターゲットに合わせたストーリー展開になっているわけですね。特にこだわったのは、どういったところですか?

久和原:こだわったのは、その漫画の中にいかに自然に講座のアピールポイントを入れるかという点。マジックグッズがついてくるのですぐに始められる、分かりやすいDVDがついているといったポイントを話の流れの中で説明しています。こちらは私の方である程度、ストーリーやセリフを考えて、それを漫画にしてもらいました。自分のアイデアが漫画として形になるのは楽しいですね。さらに、ABテストでも漫画ペラを入れていないものに勝てたので、気持ちが良かったです。

遠慮した表現では、伝わるものも伝わらないから。

—つづいて、第4位について教えてください。

久和原:『認知症介助士講座』のDMの封筒です。商品力がある講座なので、ご案内する機会が多いうえに、同じようなデザインの封筒をずっと使っていたので、お客様としては既視感があったと思います。そこで、新しい封筒をつくってテストした結果、ただ勝っただけでなく、従来原稿に比べてレスポンスのアップ率が非常に高かったので、手ごたえを感じましたね。

—それはすごいですね。勝因はどこだったと思いますか?

久和原:やはり、コピーワークでしょうか。『認知症介助士講座』は認知症の方と接する際の心構えや応対の仕方などを学べる講座なので、介護系の仕事に従事している方に向けた講座だと思われがちです。でも、この高齢化社会では認知症はもっと身近な問題ですよね。そこを認識してもらえるように、コピー制作をしました。

—確かに、お客様の認識が変われば受講者も増えそうですね。

久和原:そうなのですが、認知症というワードの使い方には注意が必要でした。お客様によっては心象が良くない場合があるからです。以前までの封筒では認知症介助士という講座名すら使っていませんでした。でも、それでは少し分かりにくいと思ったんです。今回の封筒では、あくまでお客様個人の話ではなく、現代社会に認知症介護の知識が必要とされている、学んでおいて損はないものだという事実を、講座の名前も出しながら強調するコピーにしました。

―かなり大胆な変更ですよね。周囲の反応はいかがでしたか?

久和原:封筒全体を通して、認知症を身近な問題として感じてもらえるような構成に仕上げることができたので、反対はされなかったですね。封筒の裏面には、満足度や受講者の声を入れることで、学んでいる人が多いという事実も訴求しており、この講座を自分事としてとらえてもらう工夫をしました。少し冒険でしたが、いい結果が出たので良かったです。

営業機会が少ない講座にスポットライトを当てることができた。

—さて、第3位は何でしょうか?

久和原:第3位は速読講座のメールです。

―え、メールですか?意外ですね。

久和原:はい。今までは紙のDMが多かったですが、今後はメールでの営業も増えていくと思われます。何しろ、メールは紙と違ってコスパがよく、企画してから出すまでのスケジュールが半分で済みますからね。

—なるほど。今後注目のコンテンツなわけですね。今回のメールはどのような経緯で制作されたものなのでしょうか?

久和原:私たちの部署は講座を受けた方に、別の新しい講座をおすすめする営業スタイルを取っています。ただ、速読講座はどの講座を受講した方にご案内すればいいか分からず、あまり積極的に営業していなかった。でも、細かいところまで作りこまれたいい講座なので、うちで営業する術はないものかと思ったんです。そこで、メールであればリスクも少ないしチャレンジできるのではないかと思いつきました。

―メールはどういった内容にしたのですか?

久和原:速読講座という講座名だけ聞いても何の役に立つのか分かりにくいですよね。そこで、速読をマスターすれば仕事に活かせるし、資格の勉強にも役立つという点を、若いビジネス層に訴求する内容にしました。

―ターゲットをビジネス層に絞ったのですね。

久和原:はい。あとは、メールを送るタイミングにもこだわりました。ユーキャンでは1月にさまざまな資格の大規模な営業をするので、その前に速読をマスターした状態になってもらいたいと思ったんです。速読のスキル習得に3ヶ月かかるので、逆算して9月にメールを配信しました。

―今までなかった営業手法で新しい顧客層を開拓した、素晴らしい功績ですね。

久和原:ありがとうございます。自分で速読講座に注目してメールの企画立案から携わり、結果として紙のDMで営業したときと同じくらいの利益を出すことができたという点を評価して、3位にランクインさせました。

狙ってターゲット層を広げることに成功しました。

—それでは、第2位を教えてください。

久和原:第2位は『音楽健康指導士講座』のDMのカタログです。こちらはABテストで勝ったものですが、従来原稿と比べてアップ率がそこまで大きかったわけではありません。ただ、狙ったターゲット層からしっかりと反応を得られたので第2位にしました。

―ターゲット層はどのあたりだったのでしょうか?

久和原:もともとのDMは、介護業界で働く方をターゲットにしているなと感じていました。でも、受講した方の声などを参考にして顧客分析をしてみると、自分や家族の健康のためとかお友達や地域の集まりのためとか、もっとライトなニーズがありそうだと思ったんです。そこで、介護業界で働く方以外の自分たちで楽しみたい層にも訴求することにしました。

—今までにない層を開拓することにしたんですね。どのように新しい層のお客様にアプローチしていったのでしょうか?

久和原:そもそも、音楽健康指導士がやることは、音楽を使って健康長寿に効果的なレクリエーションをすることです。従来原稿では、「どこで活かすか」や「教材の内容」などにフォーカスしていましたが、今回のDMにはこんなレクリエーションがあって、こんな健康効果が期待できるという説明をしっかりスペースを取り、教材の中のレクのイラストをふんだんに使って掲載しました。友人たちと楽しみたいという方が、このDMを手元に置いておけばいくつかのレクリエーションを楽しめるようにしたんです。すぐに受講していただけなくても、もっとレクリエーションの幅を広げたいと思ったときに、そのDMを見て再びこの講座に興味を持っていただけるはずなので。結果として、介護のお仕事をする方以外からのレスポンスを得られました。

―結果を聞いた時は嬉しかったのではないですか?

久和原:そうですね。ただ、結果を聞く前に産休に入ったので、しばらくの間、ABテストで勝ったことも知らなかったです。産休明けに結果を知って、とても嬉しかったですよ。

時代を先取りした企画で、成果を出す。

—さあ、栄えある第1位です。

久和原:第1位は、『おうち受験特集』という企画のメールです。内容としては、自宅で受験できる資格講座を集めたものになります。

—このメールを制作することになった経緯を教えてください。

久和原:当時はコロナ自粛の真っただ中。ユーキャンには在宅で受験できる講座がいっぱいあるのですが、コロナ禍で はそのことがお客様にとってよりメリットになると思ったんです。そこで、おうち受験というくくりで、広く講座をご案内する企画を考えました。

—メールの内容で工夫した点は、どういったところでしょうか?

久和原:まず、おうちで受験できるメリットと受講を申し込んだ方にプレゼントがあるという情報を、スマホで見たときのファーストビューに収まるように配置しました。そうすることで、メールのつづきをみるためにスクロールしてもらいやすくしています。また、メールはコンテンツがたくさんあると、レスポンスが悪くなる傾向があるので、メール全体でおうち受験というコンセプトがぶれないように心がけました。普通はこんな講座があるという説明をたくさんするのですが、今回はおうち受験のメリットを訴求することに注力しています。もともと、おうち受験特集のwebページはあったので、講座の詳細についてはそのwebページを見てもらうようにすることで、メール文面が長くなりすぎないようにしました。

—メール営業の結果はどうだったのでしょうか?

久和原:メールで色々な講座をご案内する企画がそれまで少なかったので比較は難しいのですが、想定以上にレスポンスがあり利益はかなり出ました。このメールから受講に繋がった数が多かったですね。コストのかからないメールでの企画なのでこれまでより広い客層にアプローチして結果、紙ではアプローチしきれない層が受講してくださった結果だと思います。新規の受講が増えれば、またそのお客様に別講座の紙のDMなどをお送りすることもできますので、次の営業にもつながった成功事例と言えます。 コロナ禍となった直後で状況がどうなるかわからないなか、メールの機動力を生かし、おうち時間の充実需要など世間の関心度も高いうちにトライアルできたのも大きかったと思います。その後、色々な試験でネット試験が始まっていったので、時代の流れを先取りする企画でもあったのかなと思います。

紙とメールで新しいクロスメディア企画を立案したい。

—ランキングの発表ありがとうございました。ご自身で企画立案をされたり、新しいことにも積極的に挑戦していこうという姿勢を垣間見ることができました。今後はどんな仕事をしていきたいですか?

久和原:今回のランキングで挙げさせていただいたものもそうですが、営業手法として紙のDMもメールもありますので、それぞれのいいところを組み合わせてクロスメディアの新しい戦略を立てていきたいと考えています。

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