キャリアコース選択制度によって自分らしく働けるようになったって本当?人事部の部長に詳細を聞いてみた。

プロフィール

滝口(Takiguchi)

1993年入社。通信講座や商品の開発、営業の仕事を経験し、新規事業開発、推進を担当した後に人事部長に就任した。

社員一人ひとりの多様な力を発揮できる環境をつくりたいと思った。

―早速ですが、キャリアコース選択制度の具体的な内容について教えてください。

滝口:これまでの人事制度はキャリアの道筋が1本しかない、いわゆる単線型人事制度でした。しかし、新しい人事制度を導入することになり制度設計を進めていく中で、社員一人ひとりが多様な能力を発揮し、やりがいを感じながら働ける環境づくりが重要だという話になりました。そうした環境をつくり上げるために、複数のキャリアパスから本人の適性や希望に合った働き方を選べるキャリアコース選択制度の導入に至ったのです。

―具体的にはどのようなコースがあるのでしょうか?

滝口:新卒採用の皆さんは、まず「総合職コース」として部署に配属されます。総合職に対応する専門職でキャリアアップするコースとして「スペシャリストコース」が用意されており、専門スキルが求められるキャリア採用などでは、このコースで募集するケースがあります。入社後ある程度の経験と実績を積んで、職能資格の「主事」に上がる際に、総合職の上位コースである「管理職コース」と、スペシャリストの上位コースである「エキスパートコース」に分かれます。

―社員の皆さんは、どのようにコースを選択していくのでしょうか?

滝口:年に一度、オンラインで全社員を対象にキャリアプラン調査を実施し、キャリアについての希望を確認します。本人が現在の業務にやりがいを感じ満足しているか、新しい部署に挑戦したいと思っているかといった現状について把握すると同時に、現在のコースからの転換を希望するかどうか、また主事に昇格する際「管理職コース」と「エキスパートコース」のいずれを選ぶかといったキャリアコースの意向について確認しています。調査で得られた情報を基に、翌年4月の主事昇格者によるコース選択と、各コースからの転換について、本人の希望と適性などを勘案して決定します。

数年先の自分のキャリアを思い描きながら成長していってほしい。

―キャリアコース選択制度を導入した狙いはなんでしょうか?

滝口:社員に多様なキャリアコースを用意し、それぞれのコースでパフォーマンスを最大限発揮して会社に貢献してもらうことを目的に制度を導入しました。社員の希望をキャリアに反映しやすくなるため仕事に対するモチベーションも高まり、全体の業務効率化や生産性の向上にも繋がります。また、ライフスタイルに合わせた働き方を選択できるようになるので、家庭の事情などから仕事がつづけにくくなるケースも減り、安心して働きつづけてもらうための支援になると考えています。

―キャリアコース選択制度を通して社員にどのようなキャリアを歩んでほしいと期待されていますか?

滝口:本制度をご自身のキャリア形成について考える機会とし 、中長期的な成長を念頭に年間の目標設定を実施していただきたいです。5年後、10年後の自分を常にイメージしながらそれぞれのコースで経験を積み、また途中でキャリア変更を希望する場合も、変化を恐れず挑戦し、仕事を通じて成長しつづけてもらいたいですね。

―これまで以上に、社員全員がキャリアについて考えるようになったのではないですか?

滝口:そうですね。実際に、キャリアチャレンジ制度の応募検討なども含め、キャリアについて考える機会は増えています。社員の数だけキャリア形成の考え方があるため、環境・組織づくり、制度改革、研修実施など、ユーキャン全体がキャリア支援においてまだまだ成長していく必要があると感じています。

―人事部として社員に対してどのようなキャリア支援をすることが理想でしょうか?

滝口:まずは、社員一人ひとりが自分の強みを活かせるよう、複数の道を用意し、自身の適性やキャリアについて考える機会を設けながら自らが進む道を選んでいただくことですね。そして、仕事にやりがいと責任を感じて、いきいきと働いてもらえることが理想です。そのために、私たちは研修や面談などを通じて自身の強み、適性に改めて気づいてもらう機会を用意していきたいと考えています。

これから会社の成長をさらに加速させる人材を増やしていく。

―制度を活用している社員の方の反応はいかがですか?

滝口:エキスパートコースに転換した方からは、マネジメント業務といった自分に向いていない業務ではなく、得意分野で部署を支えていくことができて気持ちが楽になったという声をいただきました。より一層専門性を高め、会社に貢献したいという意欲が湧いてきたとのこと。また、それぞれのコース内で昇進を目指すことができ 、張り合いがあるという方もいますね。管理職コースはもちろん、エキスパートコース内でもエキスパート→シニアエキスパート→チーフエキスパートというように昇進を目指せるのです。スペシャリスト・エキスパートコースは一つの部署で腰を据えて仕事に取り組み、スキルアップを目指したい人には打ってつけの働き方だと思います。

―今後入社する学生には、どのようなキャリアプランが用意されていますか?

滝口:まず、入社後は基本的に3年ごとのジョブローテーションで教育事業と通信販売事業の業務を経験していただきます。その後、7年目からはご自身の適性と希望を考慮して配属先を決定し、キャリアを積んでいくことになります。 マーケティングを極めるか、開発や講座指導の道に進むか、それともシステムや管理部門で会社を支えていくのか、多様な道が用意されています。他部署への異動を希望する場合に使えるのが毎年行われるキャリアチャレンジ制度です。また、ライフステージの変化などに応じてコースの変更を希望する場合は、キャリアプラン調査の際に申告していただくことで転換が可能になります。

―今後、キャリアコース選択制度によって社内にどのような効果が生まれていくといいと思いますか?

滝口:社員一人ひとりが自分の適性に合ったコースで能力を発揮し、会社がそれを評価することで、モチベーション向上につながるという循環が生まれるようにしていきたいです。特にスペシャリスト・エキスパートコースは、社員が専門分野に特化したスキルを効率的に習得でき、高い専門スキルを持った人材の育成に繋がっていくでしょう。そういった社員一人ひとりの成長が、ユーキャンの企業としての成長にも繋がっていくのだと考えています。

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