学び出版部ってどんなとこ?ベテラン編集社員がお答えします。

プロフィール

鈴木(Suzuki)

2007年入社。入社以来、一貫して学び出版部に所属。次長として書籍の発刊計画や予算・部数の決定などの管理業務をこなしながら、プレイヤーとして書籍の編集業務もつづけている。

紙の本も、電子書籍も、アプリも、販促物も全部。

―いきなりですが、学び出版部とはどんな部門なのでしょうか?

鈴木:ユーキャンの出版部門で、仕事としては実店舗やネットの書店で販売されている書籍の編集業務が中心です。ユーキャンでは、資格書のほかに、保育や介護、看護などの実用書、趣味教養書、児童書、ビジネス書などの一般書まで、幅広いジャンルの書籍を発刊しています。点数は年80点ほど。紙の書籍だけでなく、そのコンテンツのアプリ化や電子書籍の開発まで手がけています。

―一般的な書籍編集の仕事と同じだと思っていいのでしょうか?

鈴木:近いですが、当社の場合は編集業務のほかにも新刊の店頭状況を確認するために書店を訪問したり、販促チラシやPOPの作成、メディアに掲載する書誌情報や広告を制作するような営業活動もしています。

ミッションは『出版を通じて、人々の様々な学びをサポートする』こと。

―どうしてユーキャンに出版部門があるのでしょうか?

鈴木:ユーキャンでは、書店での書籍販売によって認知と信頼を高め、『生涯学習のユーキャン』というブランド価値を高めようとしています。学び出版部には「出版を通じて、人々の様々な学びをサポートする」というミッションがあり、資格試験に限らず、趣味や教養、ビジネスで必要な知識など多様な学びを想定し、幅広い分野の書籍を発刊しているんです。

―出版社とは異なる、ユーキャンならではの強みは?

鈴木:幅広い学びを想定して企画に力を入れていますが、やはりユーキャンの独自性は資格書にあらわれています。発刊書籍の8割は資格書の年度改訂版になります。前年度の試験内容や最新の出題傾向、法改正による内容の変更などをいち早く反映し、より合格に役立つ書籍を出版しています。資格関連の情報収集能力と更新性の高さが学び出版部の特長だと思います。

—鈴木さんも、そうした特長に惹かれて入社されたのですか?

鈴木:少し違いますね。実は、以前は農業系の出版社で雑誌編集をしていました。そこを退職し、再度学生をしていたのですが、やはりものづくりに携わりたいという思いが消えなかったんです。ユーキャンの学び出版部を見つけたのはたまたまですが、「学びをサポートする」というミッションに惹かれたのは事実です。そうした打ち出しは前職ではなかったもので。

「がっこうのべんきょうがすきになりそうです」

—これまでに印象に残っている仕事は?

鈴木:児童向けの社会科読み物を担当した時に、9歳のお子様からハガキが届きました。「がっこうのべんきょうがすきになりそうです」という、ひらがな1行だったのですが、心にグッと来ましたね。この子は、もしかしたら、あまり学校の勉強が得意じゃなかったのかもしれない。1冊の本をきっかけにちょっとでも学びを後押しができたのだとしたら、この本を作ってよかったと思いました。

―やはり、やりがいを感じるのは発刊後に読者から反響をいただいた時ですか?

鈴木:そうですね。「読みやすかった」「役に立った」「合格できました」「オススメです」といった声を、ハガキや手紙、ネットのレビューなどでいただくと元気が出ます。反省を促されるご指摘も含めて、ダイレクトに読者の反応を感じられるのは、この仕事の魅力です。

時代を読み、未来を読もう。仮説を持つ人、求む。

―今後の目標を教えてください。

鈴木:ご存知の通り、出版市場は年々縮小していて、本に費やされる人々のお金、時間が減ってきています。厳しい状況ではありますが、売れている本、長年支持されている本があるのも事実です。本が売れなくても、良い本が売れないわけではないんです。今後も読者が求めるものを探究しつづけ、様々な学びに役立つ書籍を届けていけたらと思っています。また、資格書のプロとしての強みは残しつつ、その他の一般書でもシェアを広げていきたいです。

―最後に、学生の皆さんへメッセージをお願いします。

鈴木:自分なりの仮説を立てられる方と働きたいと思っています。資格書は試験制度の変更や、受験者数の増減、競合による新刊の発売などにより、常に環境が変化します。次はどう動くか、日々判断の連続ですが、その判断が正しいかも分かりません。大切なのは、いかに判断の精度を高められるか。そのためには、現状を把握し未来を予測し、それに合わせた書籍の企画を考える仮説の構築力が必要です。どんな仮説があっても構いません。自分なりの仮説を考えながら仕事に取り組める人を、心からお待ちしています。

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