DMができるまで。新商品『極めつき!講談大全集』を担当した入社1年目に聞きました。

プロフィール

野村(Nomura)

2020年新卒入社。通信販売事業部 文化教養事業マーケティング部データベースマーケティング課。文学部出身で、出版業界への興味の延長から、ユーキャンに入社。そのきっかけは、電車から見かけたユーキャンの看板。入社前から広告の効果というものを身をもって味わう。

DMができるまでを聞いてみた。

―野村さんが新商品のDMを担当されたと聞きました。

野村:はい、2020年12月にデビューしたCD商品、『極めつき!講談大全集』のDMを担当しました。入社すぐの5月頃に話をいただき、9月頃からDMの実制作に入りました。ユーキャンでは、これまで落語CDは扱っていましたが、講談は初。なので、僕にとっても会社にとっても初めての試みということになります。社内で誰も扱ったことがないジャンルだったので、余計に「僕でいいのか?」と心配でした。

―ですが無事にやり遂げられたわけですよね。まずは『講談大全集』の場合を例に、DMができるまでの全体の流れを教えてください。

野村:大まかにこんな流れでした。

①商品研究
②企画
③手書きラフ
④デザイン
⑤撮影
⑥入稿から印刷まで

実は、これ以外にも大きなタスクがあったんですが、これは後で話しますね。

DMだけじゃない。実は商品開発にも関わっている?

―まず、商品研究とは具体的に何をしたのですか?

野村:商品もまだない状態でDMの話をいただいていたので、ネットで調べたり、本を読んだりして講談の知識を深めました。あとは落語好きな祖父母に話を聞いてみたり。この商品を担当したおかげで祖父母と話が合うようになりました。そして、8月に開発部門で商品の具体案が固まってきた段階で打ち合わせをするようになったんです。

―商品開発にも関わったということ?

野村:はい、収録演目や商品名の相談を受けて、自分の意見も出しました。打ち合わせの後は収録音源をいただき、さらに商品研究を深めました。

―いよいよDMに着手ですね。

野村:まずは、企画構成から始めました。DMは冊子カタログ形式と一枚ものを折り畳むチラシ形式などがあるのですが、今回はチラシにすることを決めました。チラシだと、見てもらえれば情報が一気に伝わるので訴求力が高いと思ったんです。
そこから、チラシ以外のDMの構成要素も決めていきます。オリジナル封筒、レター、申込用紙、あとギフトとギフトについて説明する一枚の用紙を入れ込むことにしました。

―ギフトとはどういったものですか?

野村:はい、これが先ほどお伝えしていたDM以外の大きなタスクです。ギフトとは社内用語で、今回はDMから申し込んだ方限定の特典。プレゼントですね。これもDMの担当者が考えます。9月からのDM制作と同時進行でギフトも企画制作しました。

―どんなギフトになったんですか?

野村:市販で売っているものを付けてもいいんですが、せっかくならオリジナルのデザインにしたいと思い、講談で使われる釈台の形をした貯金箱にしました。業者さんと話を詰めながらデザインを決めて、サンプルを10月にもらってフィードバックしてつくりあげて。本当にDMと同時進行でしたね。

先輩からのコツと、自分の率直な思いを掛け合わせる。

―かなり商品開発に近い流れですね。面白そうです。DM制作に話は戻りますが、制作するDMの構成を決めたら、次はライティングですね?

野村:はい、ただ文章だけ書くのではなくデザイナーに構成が伝わるように、この段階で手書きラフも制作しました。「表面ではタイトルを大きく」「商品概要をタイトル近くに」「文字の強弱を強調する」「大事な情報を隅に」など、少しでも訴求内容に目が行くよう、先輩にアドバイスをもらいながらラフを完成させました。

―書く内容はどんな工夫を?

野村:講談にお客様が興味を持ってもらえるか不安だったので、チラシの内容は初心者にもわかるような説明にしました。とはいえ、すでに講談を知っている方がつまらないと感じないよう、説明しすぎにならない程度のバランスは保ったつもりです。レターは率直に自分の感じたことをストレートに書いて、講談の面白さを伝えました。僕自身、商品研究をしていて講談にはまっていたので、初心者が面白いと思えるポイントを伝えたかったんです。

デザイナーともカメラマンとも、打ち合わせは自分で。

―講談の魅力とは?

野村:政治の話、武士の話、泥棒の話、幽霊の話など、ジャンルが豊富で、ジャンルによって同じ講談師でも話し方が変わる凄みとか、演じる時の迫力とか、とにかく深いです。私自身、生で講談を見たくなって、開発担当と一緒に行きましたからね。

―それは完全にはまってますね。そんな思いがこもった手書きラフができあがり、DMの制作工程としては次に何をしましたか?

野村:手書きラフをデザイナーにお渡しして、デザインラフを組んでもらい、赤字を入れたり、デザインについて相談したりと細部を詰めていきました。手書きラフ以上に、自分がいいと思えるまで自由に進めさせていただきましたね。

―さらに撮影もあったとのことですが。

野村:デザインの方向性が固まった段階で、商品やギフトの撮影をカメラマンに依頼しました。スタジオでの撮影に同席して、「こんな写真が欲しい」とイメージを伝えながら齟齬がないよう、その場で写真を確認しました。

全国数万人を相手にする、DM制作って楽しい!

―そしてその写真をデザインに流し込み、ついにDM完成ですね。

野村:最終の社内確認を取り、OKが出たら印刷会社に入稿です。仕上がりをチェックする色校正などを経て、実際に必要な数万以上の部数の印刷が始まるわけですが、そこで改めて、全国数万人に届くことを実感してドキドキしましたね。「喜んでもらえたらいいな」「購入につながったらいいな」と結果を待っていたら、営業報告を受け、ひとまず期待通りの結果が出たという話を聞いて安心しましたし、嬉しかったですね。

―最後に、今後の目標について聞かせてください。

野村:今回、初めて新商品のDMを最初から最後まで担当してみて、改めてDM制作って楽しいと思いました。実は今も次の新商品のDMを担当しているところなんです。講談とはまた違うジャンルで、いろんなジャンルの商品を任せてもらえるのでやりがいがあります。次回のDMでは、今回以上に言葉の選び方などに気を遣って、より結果を残したいです!

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