「一般的な広告会社とユーキャンのクリエイターの違いを教えてください」「すみません。僕、自分をクリエイターだと思ったことはないんです!」
プロフィール
宮田(Miyata)
通信販売事業部 ココチモ事業 マーケティング部 次長 2000年入社
「全員がバイヤーであれ」。ココチモで働く社員共通の想いです。
―ココチモでは、それまでのユーキャンにはなかった『雑貨』を扱っていますよね。
宮田:はい。ただ雑貨なら何でも取り扱うということではありません。「エンターテインメント(娯楽性)」もしくは「ユースフル(利便性)」という通販商材の2大要素のどちらか、あるいはその両方を有していることが必要だと思っています。そして何より、ユーキャンの通販ブランド・ココチモとしてのモットーである『お客様の毎日を今よりもっと心地良く』という軸はぶらさないようにしています。電子辞書からマッサージチェア等の生活家電、今や国民の必需品ともいえる防災グッズ、それにアパレルやしゃべるぬいぐるみといった商品もあります。メーカーの既製品をココチモのターゲット向けにカスタマイズしたり、ゼロから商品を開発することも。
―通信教育のイメージしか持たれていない方にとっては意外かもしれないですね。ココチモならではの面白さって何でしょう?
宮田:やっぱり、提案できる商品の可能性が無限にあることでしょうか。ココチモでは、開発担当者も広告制作担当者も、たとえ管理職であっても、「全員がバイヤーである」という意識を忘れないようにしています。良い商品のアイデアを見つけたら、誰が提案してもいい。だから世の中やマーケットの動きに常にアンテナを立てていなければなりません。半年に一度くらいのスパンで全員から商品企画のアイデアを募っていますが、良いアイデアがあれば会議を待たずにいつ出してもよいことになっています。「これは面白い!」「売れそうだ」「お客様に喜んでいただけるはず!」となればすぐにテストマーケティングにチャレンジできるのもココチモならではの面白さですね。
―採用されるアイデアはどうやって決定するんですか?
宮田:開発部とマーケティング部それぞれの責任者がこれまでのデータ等を見ながら決定します。ただ、データだけじゃなくアイデアを出してきた社員の熱意で決まることが実はとても多い。「私のおじいちゃんとおばあちゃんが実際に使ってすごく喜んでくれたんです!絶対うちのお客様も喜んでくれるはずです!」みたいに熱量を持って語られると、「じゃあテストしてみようか」ってなる。そんなアナログで人間らしい部分もユーキャンらしさかもしれません。
めざすのはクリエイターじゃなく、マーケットプロデューサー。
―広告制作者が商品企画のアイデアを出すというのは他にない特徴かもしれないですね。
宮田:確かに通常の企業だと商品開発を行う部門と広告制作を行う部門は完全に分かれていることが多いですよね。だから広告制作部門から商品アイデアが出てくることは少ないかもしれません。ココチモでも開発部とマーケティング部は一応分かれています。ただ、仕事が重なる部分がすごく多い。開発部が同じフロアーのすぐ隣にあるので、「この商品の方がより多くの利益が出るよね?」「いやいや、それじゃウチの利益にはなってもお客様の利益にはならないよ!」なんて議論も日々活発に行っています。以前僕が担当したもので『しゃべる地球儀』という商品があります。例えばアメリカを押すと「現在のアメリカの大統領は……」みたいに音声と映像で教えてくれる地球儀なんですが、それは、香港の製造メーカーの既存製品をココチモのターゲット向けにカスタマイズしたものなんです。開発担当者と一緒に直接香港のメーカーに足を運んで仕様について細かく詰めたり、仕入価格の交渉を行ったりもしました。
―広告制作担当がそこまで深く関わる理由は?
宮田:お客様が何を望んでいるかを誰よりも知っているのは、日々お客様と広告を通してコミュニケーションを取っている僕たちだからです。メーカーに対してココチモのお客様が求めているものをきちんと伝えるのは重要な役割の一つだと思っています。あとは、商品そのものを深く理解していないと良い広告は作れない。そういった意味で、僕たちの仕事は、『バイヤー』であり『マーケター』であり『クリエイター』でもあるんです。
―そう言われると、確かにクリエイターという言葉で一括りにはできないですね。
宮田:そうなんですよ。他の広告会社とのクリエイターの違いと言われても、そもそも僕自身、自分をクリエイターだと思っていない(笑) 商品を見つけ、データを分析し、広告でその商品の魅力を届けるところまで全部やる。その結果、それまでなかなか日の目を見なかったメーカーの商品が大ヒットすることもある。新しい市場をつくり出すという意味では、『マーケットプロデューサー』という言い方が最も近いのかなと思います。最初は広告制作から入ることになると思いますが、それが全てじゃない。ターゲットであるお客様の声に耳を傾け、商品を知り尽くし、あらゆる角度から需要を分析することで、マーケットを肌で感じられるようになります。その感覚がないと、クリエイティブのスキルも高くなりません。
―なるほど。広告制作というのは役割の一つという認識なんですね。
宮田:はい。僕は入社以来、広告制作に長く携わってきましたが、今は新しい『事業』を企画しなければという想いが強くあります。ココチモは通販事業に雑貨という新しい領域を切り拓きましたが、そういう新事業をこれからも生み出しつづけないと時代に置いて行かれてしまう。過去に新事業だったココチモ事業は、今やユーキャンの事業の柱の一つに育ちました。つまり、ココチモはもう「新しくない」んです。アパレルやライフサポート等の分野を新たな事業として切り出し大きく育てることが今後の一番の目標です。将来、そんな新領域に一緒にチャレンジしてくださる人とぜひ一緒に仕事をしたいですね。