「紙とウェブはこんなにも違う!」違いのわかる2人に、マーケティング目線で語ってもらった。

プロフィール

白井(Shirai)通信販売事業部 ウェブマーケティング部 2010年新卒入社

藤岡(Fujioka)教育事業部 ウェブマーケティング部 サイト企画課 2014年新卒入社

奇しくも2人そろって、ウェブマーケティングの世界へ。

―お2人は数年前まで同じ部署だったんですよね?

白井:もともと通販事業部にいて、そのとき同じDMの部署で働いていました。当時家が近所で、通勤のバスとかスーパーでばったり会ったとき、よくサッカーの話をしてたよね(笑)。仕事で直接関わることは少なかったけど。

藤岡:そうですね!僕は当時音楽を担当していて、演歌やクラシックのCD集をDMで営業していました。

白井:私は出版を担当していました。約6年半、『日本大地図』などの大型書籍や『世界の絶景100』などDVD/ブルーレイ商材を扱っていました。

―ウェブマーケティングの世界に飛び込んだ経緯について教えてください。

白井:通販事業部のメインターゲットはシニア層ですが、数年前から徐々にデジタル領域を強化しようという話があったんです。商品自体もそうですし、マーケティングアプローチについてもそう。そこでまずは商品のデジタル化を目標に4人のメンバーでプロジェクトをスタートしました。今思うと、それがウェブとの最初の接点ですね。先輩を中心に悪戦苦闘しながら、第1弾となる『電子書籍』(ネット環境がなくても100の文学作品が鑑賞できるプリインストール型の電子書籍)を開発しました。その後も商品開発を行いながら、メールマーケティングにも着手。結果的に2018年のEC事業ウェブ部(現在のウェブマーケティング部)の立ち上げにつながっていきました。

藤岡:僕の場合は部署異動です。ウェブマーケティングをやりたいという意思を上司に伝えていたら、希望を汲んでいただいて。2018年から今の教育事業部ウェブマーケティング部に所属しています。

メディアミックスにSEO対策。マーケターとしての幅が広がった。

―白井さんは引き続き通信販売事業部とのことですが、現在どんな仕事を担当していますか?

白井:商品購入時に登録いただくメールアドレスを活用してお客様へ他の商品をご案内するメールマーケティングを担当しています。メールのメリットは企画から実行までのスピード感が紙とは圧倒的に違うところですね。ただ、私もそうですが、紙媒体に馴染みのあるお客様も多くいらっしゃいます。ですので、まずメールを送り、興味をもっていただいた方には追ってハガキを郵送するというメディアミックスにも取り組んでいます。より多くの方にリーチできるよう、デジタル(メール)とアナログ(紙媒体)それぞれの強みを活かしていきたいと思っています。

藤岡:教育事業部ではそういったメディアミックスを多くは使っていません。紙ももちろん使いますが、ターゲットがシニア層ではなく若い層が多いのでウェブが主体ですね。

―藤岡さんはどんな仕事を担当していますか?

藤岡:サイト制作と運営を担当していて、主に各講座の紹介ページの制作やSEO対策(検索結果で多くヒットするために行う対策のこと)での集客を行っています。

―資料請求や申込みがひとつのゴールかと思いますが、どんな工夫を?

藤岡:通販で扱う商材は、お客様に楽しい時間をご提供するもの。それに対して資格講座は、勉強という人によっては苦痛を伴うもの。だからこそ、易しく学べることや、学んだ先の資格取得後に明るい未来が待っていることを伝えることを意識しています。

―ウェブマーケティング部でも引き続きコピーを書いているんですね。SEO対策はいかがでしょうか?

藤岡:最近だとアンガーマネジメントベーシック講座が印象的でしたね。あおり運転が社会問題化したこともあり、少し前からイライラを収めるためのマネジメントが注目を集めていました。そこで、「アンガーマネジメントといえばユーキャン」と認知していただけるよう、「アンガーマネジメント」と検索したときにユーキャンのサイトが上位表示されるよう、SEO対策を強化することに。上位表示されているサイトを参考に、アンガーマネジメント協会からのコメントや、「怒り方の特徴を6つのタイプに診断する教材」についての紹介など、ユーキャン独自の要素を追加しました。その結果、150ほどあるユーキャンの講座の中で、人気ランキングのトップ30に入ってくるほどの反響がありました。

紙とウェブは全然違う。だからこそ、どっちも必要。

―紙媒体とウェブの違いについて教えてください。まず、紙の特徴ってなんでしょうか?

白井:小さいころから紙文化で育ってきている世代の方には読んでもらいやすいですね。また、読み終わっても部屋のどこかにある限りずっと目にしてもらえる可能性がある。物理的に手元に残るメリットは大きいと思います。

藤岡:DMの中身の構成には、封筒、カタログ、手紙、申込書などある程度決まった「型」があって、それぞれに役割分担があります。その中で最高のクリエイティブを突き詰めるのが紙媒体の特徴であり面白さだと思います。あとは、スーパーに置いてあるカタログや、書店で本を購入したとき袋に入ってくるチラシなど、紙媒体ならではのタッチポイントもつくれますね。

―確かにそう言われてみると、紙の広告って日常に溢れていますね!ウェブの特徴はいかがでしょうか?

白井:サイトの商品ページの場合、どこがよく見られているか(orいないか)といったウェブ上の行動データが取れるので、それを踏まえてレイアウトやキャッチコピーなどを改善できるのが紙との大きな違いだと思います。また、自分事と捉えてもらえないとページをすぐ閉じられてしまう可能性が高いため、ページの構成も重要度の高い情報から載せるようになりますね。逆に言うと、読む順番は上から下へ進んでいくので、どんな情報から出していくか戦略を練れるというメリットもあります。

藤岡:アプローチの選択肢が多いというのもあります。講座ページで響かない人に対しても、LINEや動画広告といった別の施策が有効なことがあります。クリエイティブだけじゃないマーケティング手法を使えるのが面白いところです。LINEは公式アカウントがあって、友達になってくれた人に対して定期的におすすめ情報をお届けしています。それも全員に対してではなく、ターゲットを絞ったり、閲覧状況に応じておすすめ表示をしたりと工夫しています。

―「興味を持ってくれそうな人」にだけ配信するんですね。それは効果がありそう!

藤岡:そうですね。講座ページではAIも導入しています。離脱を阻止するため、「他の方はこんなページも見ていますよ」とレコメンドする機能もその一例です。他にもページのどこがクリックされ、どこがよく見られているかをビジュアル化する「ヒートマップ」など、様々なウェブ解析ツールを使ってユーザーの行動を読み解いています。

―ウェブの存在感が年々上がっていると思いますが、それでも紙は必要なんでしょうか?

白井:そうですね。最初のご案内から最終的なお申込みまでウェブで完結できるスムーズさを求めている方もいらっしゃれば、紙の安心感というかこれまで通りの親しみを必要としている方もいらっしゃるので。ここはウェブ、ここは紙といったように状況に応じて選択肢を用意することができたらいいなと思います。

藤岡:ウェブ利用者の割合が高い教育事業部でも、今後も紙とウェブをうまく活用してアプローチするのが基本戦略になっていくと思います。紙の資料で講座の情報を確認して、QRコードでウェブページへアクセスいただき、申込はウェブという流れも多いです。

―紙かウェブかではなく、どっちも使うことが大事なんですね。本日は興味深いお話ありがとうございました!

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