電話対応だけじゃない、ユーキャンのお客様サービスセンターの役目とは?
プロフィール
向井(Mukai)
2006年新卒入社。お客様サービスセンター サービス推進課の課長。学生時代は家庭教師のアルバイトをしていたこともあり、生涯学習で有名なユーキャンに入社。DM制作に携わった後、新規事業立ち上げに参加。その後、現在の部署に異動し、これまでのキャリアを活かしながらお客様サービスセンターの可能性を広げている。
ベストはノーサービスって、どういう意味ですか?
―お客様サービスセンターのお仕事について教えてください。
向井:基本的には、お客様からのメールや電話といったお問い合わせを受けるコールセンターです。目標は「ベストサービスはノーサービス」。どういうことかというと、お客様は困っているから電話してくるんですよね。お客様自身で解決できるならコールセンターというサービスはいらないわけです。だから、私は困りごとを減らすべく、お客様の声を吸い上げて商品の開発や改善につなげる役割を担っています。
―商品開発などに役立つお客様の声を、どうやって吸い上げているのですか?
向井:お客様サービスセンターでは日々のお問い合わせ数の予測を立てています。それより多いと、何か問題が起きている可能性があると判断し、電話やメールの履歴を拾っていきます。例えば、同じお問い合わせが3、4件続いている場合には何か原因があるなと考えるんです。お問い合わせが来ている商品のサンプルを確認してみたり、マーケ部門に引き取り検品を提案したりと対策を講じます。
—実際に開発や改善にあたるのは企画営業の方になるのでしょう
向井:マーケ部門はあくまで売るのが仕事で、『ノーサービス』のために対策を講じるのがお客様サービスセンターの仕事だと私は考えています。お客様の声だけを伝えても意味をなさない。その声を直接受けた私たちが具体的にどんな対策を取るべきかを考えることに意味があると思っています。
社内提案、社内提案。そしてまた、社内提案。
―具体的にはどんな対策を提案するのですか?
向井:お客様からよく質問をされることに留意して、取扱説明書の構成から提案することもあります。例えば、通販サイトのココチモで販売している服のファスナーが上がりにくいというお問い合わせが集中したときがありました。こちらで調べたのですが商品不良ではなかったので、事前にファスナーのあげ方のコツを伝えるべきなんじゃないかと提案したんです。結果、ファスナーをあげているところを撮影した写真付きの注意書きを同梱することになり、お問い合わせは減っていきました。さらに、取扱説明書の内容を根本から見直すために、パワーポイントで取扱説明書の台割を作成してマーケ部門のところに持っていくことだってありますよ。
―そこまでやるんですね。
向井:最初は営業担当にも「ここまでやるんですか!?」って驚かれました。私は入社してから色々な部署に所属してきたことで、趣味系や資格系講座のDM制作や、新規事業の立ち上げなどを経験することができました。もともと自分が作る立場にいたからこそ、営業担当の気持ちを理解することができます。そんな今までの経験をお客様サービスセンターで活かしたわけです。今後は課のメンバーにも、営業担当への提案力を身につけてもらいたい。それが課長としての今一番の目標です。
データ分析×企画力が、お客様サービスセンターの武器。
—仕事はお問い合わせ対応だけではないんですね。
向井:私たちの課はお客様の声を分析して、いかにお問い合わせを減らすかを考えていますが、サービスセンターは2課体制で、もうひとつの課ではまた別のアプローチをしています。2課で違ったアプローチをすることで、さまざまな形で会社に貢献しているんです。
—色々な方から頼られるんじゃないですか?
向井:そうですね。お客様からのお問い合わせに事後対処するのではなく、お問い合わせを見越して先に提案することもありますよ。販売直前に箱から取り出すのが大変なのではないかと懸念された商品があって、取り出し方の注意書きを提案したところ、採用してもらいました。最近はありがたいことに新しい商品や複雑そうな商品が出ると、営業担当の方から「取扱説明書を見てください」と持ってきてもらえることも増えました。
―向井さんの姿勢が部署間の連携を強めているのですね。
向井:これからの日本は超高齢化社会です。通信販売事業のお客様だと、80代、90代のお客様も多い。商品の分かりやすさがますます重要になる時代が来るでしょう。ユーキャンには教育事業もあるので、うまく人に教えるノウハウはあるはず。どこよりも使いやすい商品企画ができる会社だと思うんです。
―その中で、向井さん個人として、お客様サービスセンターとして、どんな貢献ができると考えていますか?
向井:ボールペン字講座や日本大地図など、会社の一時代を築いた大ヒット商品があります。そんな将来の看板商品を、私たちが発案できるようになったら嬉しいです。お客様の声に一番詳しいお客様サービスセンターならではの視点で商品企画をしてもいいと思うんです。ただ問い合わせを待つ部署ではなく、会社の売り上げに貢献していける部署にしていけたらと考えています。