教育事業部と通信販売事業部の次長が、マネジメントについて本気出して語り合ってみた。

プロフィール

山本(Yamamoto)1999年入社。入社後、教育事業部の前身にあたる部署に所属して産休育休を経て、現在の教育事業部メディアマーケティング部の次長に就任する。

山田(Yamada)2002年入社。DMや新聞やwebなど、さまざまなメディアを取り扱う部署を渡り歩き、通信販売事業部開発部の次長に就任する。

マネジメントのカギを握るのは、今後の紙メディアのあり方。

—次長という立場で、どのようにマネジメントをされているのでしょうか?

山本:教育事業部メディアマーケティング部は、新聞やチラシ、総合カタログなどの一次紙メディアを扱うのはもちろん、受講生への案内資料や資格系講座の運営もしています。今はシニアの方はまだまだ新聞を購読していますし、チラシでの反応もあります。ただ、デジタル化が進んでいる昨今、紙メディアは今後どうなっていくのか分かりません。マネジメントをしていく上でも、紙メディアをどのように活用していくかは常に考える必要があります。

―具体的にはどのようなことを考えていくのでしょうか?

山本:最近では、仮に紙メディアで情報を目にしても、最終的にwebサイトから申し込むという方も多いです。だからこそ、今後はwebマーケティング部と連携して営業手法を考えるクロスメディア的な視点も大事になっていくでしょう。それにより、広告のつくり方も変わっていきます。紙媒体の情報だけでお客様に納得させてお申し込みいただくような広告と、webサイトへの流入を見越して幅広い層に興味を持ってもらうことを目的とする広告、両方のつくり方をメンバーに浸透させていかなければなりません。

大事なのは、お客様の気持ちに寄り添える開発者であること。

—山田さんの場合はいかがでしょうか?営業と開発ですとマネジメント手法も異なりますよね?

山田:そうですね。開発部は営業の部署と違って目標が数値化しにくい部門です。開発部のミッションは「ヒット商品を生み出すこと」、「お客様に喜ばれる質の高い商品を作ること」、そして「開発した商品をより良いものへ育てていくこと」、この3つだと考えていますが、特に後の2つは単純な数値化ができません。ただ、数値として目には見えないものの、通信販売では、商品の品質がリピートに大きく影響しますので、そこの差が確実に売り上げに関わってきます。だからこそ、マネジメントをするにあたっては、質を重視する考え方を部署全体に浸透させていくことが大事だと考えています。

―部内に統一の指標を示すのですね。

山田:そうです。開発部はそれぞれが全く違う商品をつくっている集団なので、組織としてメンバーの意識がバラバラにならないように目標を明確にしています。どの商品を開発するときも、お客様を思いやって開発する。それが全員共通のマインドです。新商品を開発する時には、まず最初にどんなお客様が買ってくださるのかを明確にし、その後は常に「お客様のための商品になっているか」を意識してつくるように心がけています。

営業を理解しなければ開発はできない。開発を理解しなければ営業はできない。

山本:共通のマインドを持つことは大事ですよね。開発と営業は全く考え方が違うようで、実はお互いのことを理解していないとできない仕事です。営業のことが分からないと開発はできないですし、その逆も同じ。商品をどこで誰にどのように売るのか考えられないと講座も商品も開発できない。山田さんも、そう思いますよね?

山田:はい。私も開発部に来るまでは営業をしていたので、よく分かります。

山本:もちろん開発が営業の言いなりになってはいけないと思うんですけどね。そこは一線を引くことが大事でしょう。営業から来た意見を取り入れることが本当にお客様のためになるのか考えられないといけませんね。

山田:そうなんです。実は、開発部には、部長による『開発担当者心得』というものがあって、そのなかには「営業を理解し、理解しすぎない」という一節があるんです。売るためには営業の意見を聞くことはもちろん大切ですが、それだけではなく、こういう商品がお客様のためになるのだという開発担当者としての芯を持つことも大切だという意味ですね。

山本:その通りだと思います。

ユーキャンならではの多角的な視点を身に付けてほしい。

—優秀な人材を育成するために、心がけていることはありますか?

山本:営業の部署は新入社員が最初に配属されることが多いです。さらに、ジョブローテーション制度がありますので、新入社員は3年で他部署に異動することが決まっています。なので、3年目までの社員に関しては幅広く色々なことに挑戦してもらうように心がけています。別の部署に異動しても活躍できるよう、色々な視点で物事を考えられる人になってほしいので。

山田:異動がなかったとしても、色々な視点で物事を考えられるスキルは大切ですよね。特に今、通信販売事業部の開発部は文化教養事業とココチモ事業のそれぞれの開発部がひとつになったばかりの時期です。メンバーに対して、あえてこれまでとは違う領域の仕事にも挑戦してもらうことで、ユーキャンの開発担当としての視野を広げてもらう機会をもうけています。そういった経験を経て成長して、いずれは事業部の中核を担う存在になってもらいたいです。

山本:うちの部署で言うなら、ジョブローテーションに該当しない社員には後輩指導ができるマネジメントスキルを身に付けてもらって、いずれ部署の中心的な存在になってほしいですね。毎年入ってくる新入社員に仕事を教えているうちに自然とスキルが身に付いていくと思いますので、5、6年目の社員には新入社員とバディを組んでもらうようにしています。

山田:開発部の場合は中途入社や他の部署から異動してきた社員がほとんどです。なので、その人が歩んできたキャリアや得意分野を見極めながら、将来のキャリア形成を意識した仕事の任せ方をするようにしています。

―最近リモートワークが増えてきたなかで、工夫していることはありますか?

山本:チャットツールでのコミュニケーションを活発に行っています。誰かがメッセージを書き込めば多くのメンバーが返してくれて。仕事のやりとりがほとんどですが、雑談というスレッドもあってチャットツール上で話が盛り上がったりしていますよ。

山田:私は週一回、部のメンバーと面談をしていましたが、在宅勤務がつづいた時期にはビデオ会議ツールを使って実施しました。直接顔を合わせられないからこそ、そういったコミュニケーションの場をつくることを意識していますね。

未来を見据えたマネジメントをしていきたい。

―今後の目標を教えてください。

山本:今後、紙メディア単独でのプロモーションが今より盛んになることはないでしょう。ただし、無くなることはない。だからこそ、他メディアと連携しながらプロモーションを考える部署をつくっていく必要があると考えています。紙メディアだけの力に頼る必要はなく、webへの導線を強化したりとやり方はさまざまある。それを柔軟に考えられる人材を育てていきたいと思います。

山田:ユーキャンの通信販売はシニア層を中心に拡大をつづけていますが、もっともっと世の中の認知度を高めていけたらと思います。「ユーキャンの商品っていいよね、安心だよね」と言われる存在に。そのためにも、よく売れて、かつお客様の満足度も高い商品を生み出しつづけたい。部署のメンバーにもヒット商品をどんどん開発してほしいので、より人材育成に力を入れていきたいと考えています。

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